はたして、CDTとはどんなトレイルだったのだろう。
- 2013/11/23
- 22:33
出発前、よく耳にしたのは、完成度70%の未完のトレイル。距離は4300kから5100km。
私が感じたCDTは、決して未完成ではない。トレイルは完成しているのだが、メンテナンスがなされていない為、道標はこわれ朽ち果て、木に付けられたマークや案内板は火事でなくなっている。確かにルートは存在していた。ただ、トレイルを歩く人が極端に少ない為、道は自然に戻っていた為、コースが無くなっていた。しかも、ルート選択がかなり多く、 更にトレイルは、自然に戻っていく。ある意味、人が多く歩きダメージを負ったトレイルが、その自然の力で元に戻る様を目にしたようにも思う。その為、35%程がルートが消えていた。距離も多くのハイカーがセレクトする短いコースを積み重ねると、PCTよりやや短い4100k程度になるのではないだろうか。
また、沿線の人達のトレイル認知度は、トレイル上にある小さな町を除いては、ほぼゼロに近い。コンチネンタル・デバイド。これは地図にも載っている大陸分水嶺。この言葉は知っていても、この分水嶺沿いにトレイルの存在がある事を知る人は少ない。カナダの国境から、メキシコの国境まで歩いている。これを伝えて始めて理解し、驚嘆してくれる人がほとんどだった。
気候は、三大トレイルの中で最も厳しい。私の歩いた今年は、特に悪天候であったのでなおさらそうであったのかもしれない。特にコロラド州から、メキシコ国境付近までの朝晩の冷え込みは、他のトレイルにはない程冷えた。また、コロラドの早すぎる9月の雪。そして、130年振りの大雨。モンタナ州・アイダホ州・ワイオミング州では、三日に一度の雨。時には1日三回降る雨。そして時折ふる雹。また、砂漠エリアでは、三大トレイルの中で最も酷い水場や、40マイル水無し区間さえある、激しい環境の変化。
コロラド州からニューメキシコ州までの、10000フィート以上の高地歩きは、本当に苦しい。
ナビゲーションについては、今年のCDTハイカーの殆どがGPSを持っていた。ウルトラライトのハイカーですらそうであった。私は思う。GPSはあった方がいい。私はスマホのGPSアプリを利用したのだが、地図は表示されず、ただ現在地を把握するだけしか使えなかった。地図とコンパスだけでは、あまりに時間を浪費するだけのように思う。それほどマークの無い分岐が多い。
地図やガイドブックに関しては、複数あるが、私の使用したLeyMapは、小さすぎて、等高線が潰れていたり、地名がみえなかったりしていて、使いにくかった。他に有料でベアクリークMapがあるのだが、こちらは判りやすく、ポイントもしっかり載っている様子だった。
コースに関しては、地図・GPSファイルが、ほぼ全て違う。
ロードマップに載っているCDNTは、かなり実際のトレイルと違うコースが載っていて、CDTのマークもない。CDガイドブックも、時折CDTマークの無い場所を通る。CDTマークが付いているのは、LeyMapのコースが中心になる。また、GPSファイルも酷い。スイッチバックにマークが付いているのに、直登で表示されたり、LeyMapで本線になっているのに、サブルートになっていたり、コースは私有地を迂回しているのに、私有地内を通らせたりと、少し慣れないと辛い。
また、サブルートがかなりの数あるが、道すらないルートも少なくない。ようは、多くのハイカー達が選択して歩く道が、CDTのコースなのだ。ハイカー達が実際に歩いて、情報を出し作り上げる、ハイカー目線のトレイルになっている。
ただ、悪天候用のルートがあったりするのは、ハイカーにとって有難い。体調や気候に併せてセレクトできるのは素晴らしいと思う。
コース自体は、北向のハイカーに歩きやすいように作られていると感じる。北向のハイカーの出発ば、概ね、4月の初頭。南向のハイカーのスタートは、グレシャー国立公園のキャンプサイトがオープンする6/15から、全てのキャンプサイトがオープンする6/20以降が望ましい。
アクセスも、南向のハイカーは、ほぼ、イーストグレシャーから、カナダの国境に向かいスタートし、Columbusルートで終えるのが一般的。北向のハイカーは、CRAZY COOKルートから、ウォータートン国立公園で終えるのが一般的のようだった。あくまでも、今年の傾向であるが、気候に左右されるのかもしれない。
近年、ウルトラライトのハイカーが多く、有料のトレイルエンジェルのが殆どのPCTも、無料のエンジェルが出現したり、ウルトラライトのハイカーが少なくなり、ATに近づき始めていると、ワンダラーさん(河西さん)から情報を得た。ロングトレイルの成熟度から言えば、ATが最高だろう。果物に例えれば、ATが食べ時、PCTは、ちょっと早い、CDTは実が付いたばかり。コースを例えれば、ATは高速道路、PCTは国道、CDTは農道であろう。
三大トレイル、実によく出来ている。アメリカでは、一般的にATでロングトレイルの魅力に魅了され、PCTに進む。そして、最後に一番成熟度の低いCDTを歩く。トレイルの成熟は、ハイカーが作り上げていく。多くのハイカーが地域の人々と出会い、出会った人々が次第にエンジェルになっていく。ハイカー達の長年の蓄積が、トレイルを成熟させていくのだろう。多くの先人の方々のご苦労があり、多くのハイカーが歩く事が出来ています。感謝したい。
また、今回日本人ハイカーの先駆者の皆様が、情報を出して下さったおかげで、多くのハイカーが後に続く事が出来ています。先輩の皆様ありがとうございます。
私の今回のトレイルの記録が、CDTにチャレンジしようとする方のお役に立てれば幸いと考えております。
私が感じたCDTは、決して未完成ではない。トレイルは完成しているのだが、メンテナンスがなされていない為、道標はこわれ朽ち果て、木に付けられたマークや案内板は火事でなくなっている。確かにルートは存在していた。ただ、トレイルを歩く人が極端に少ない為、道は自然に戻っていた為、コースが無くなっていた。しかも、ルート選択がかなり多く、 更にトレイルは、自然に戻っていく。ある意味、人が多く歩きダメージを負ったトレイルが、その自然の力で元に戻る様を目にしたようにも思う。その為、35%程がルートが消えていた。距離も多くのハイカーがセレクトする短いコースを積み重ねると、PCTよりやや短い4100k程度になるのではないだろうか。
また、沿線の人達のトレイル認知度は、トレイル上にある小さな町を除いては、ほぼゼロに近い。コンチネンタル・デバイド。これは地図にも載っている大陸分水嶺。この言葉は知っていても、この分水嶺沿いにトレイルの存在がある事を知る人は少ない。カナダの国境から、メキシコの国境まで歩いている。これを伝えて始めて理解し、驚嘆してくれる人がほとんどだった。
気候は、三大トレイルの中で最も厳しい。私の歩いた今年は、特に悪天候であったのでなおさらそうであったのかもしれない。特にコロラド州から、メキシコ国境付近までの朝晩の冷え込みは、他のトレイルにはない程冷えた。また、コロラドの早すぎる9月の雪。そして、130年振りの大雨。モンタナ州・アイダホ州・ワイオミング州では、三日に一度の雨。時には1日三回降る雨。そして時折ふる雹。また、砂漠エリアでは、三大トレイルの中で最も酷い水場や、40マイル水無し区間さえある、激しい環境の変化。
コロラド州からニューメキシコ州までの、10000フィート以上の高地歩きは、本当に苦しい。
ナビゲーションについては、今年のCDTハイカーの殆どがGPSを持っていた。ウルトラライトのハイカーですらそうであった。私は思う。GPSはあった方がいい。私はスマホのGPSアプリを利用したのだが、地図は表示されず、ただ現在地を把握するだけしか使えなかった。地図とコンパスだけでは、あまりに時間を浪費するだけのように思う。それほどマークの無い分岐が多い。
地図やガイドブックに関しては、複数あるが、私の使用したLeyMapは、小さすぎて、等高線が潰れていたり、地名がみえなかったりしていて、使いにくかった。他に有料でベアクリークMapがあるのだが、こちらは判りやすく、ポイントもしっかり載っている様子だった。
コースに関しては、地図・GPSファイルが、ほぼ全て違う。
ロードマップに載っているCDNTは、かなり実際のトレイルと違うコースが載っていて、CDTのマークもない。CDガイドブックも、時折CDTマークの無い場所を通る。CDTマークが付いているのは、LeyMapのコースが中心になる。また、GPSファイルも酷い。スイッチバックにマークが付いているのに、直登で表示されたり、LeyMapで本線になっているのに、サブルートになっていたり、コースは私有地を迂回しているのに、私有地内を通らせたりと、少し慣れないと辛い。
また、サブルートがかなりの数あるが、道すらないルートも少なくない。ようは、多くのハイカー達が選択して歩く道が、CDTのコースなのだ。ハイカー達が実際に歩いて、情報を出し作り上げる、ハイカー目線のトレイルになっている。
ただ、悪天候用のルートがあったりするのは、ハイカーにとって有難い。体調や気候に併せてセレクトできるのは素晴らしいと思う。
コース自体は、北向のハイカーに歩きやすいように作られていると感じる。北向のハイカーの出発ば、概ね、4月の初頭。南向のハイカーのスタートは、グレシャー国立公園のキャンプサイトがオープンする6/15から、全てのキャンプサイトがオープンする6/20以降が望ましい。
アクセスも、南向のハイカーは、ほぼ、イーストグレシャーから、カナダの国境に向かいスタートし、Columbusルートで終えるのが一般的。北向のハイカーは、CRAZY COOKルートから、ウォータートン国立公園で終えるのが一般的のようだった。あくまでも、今年の傾向であるが、気候に左右されるのかもしれない。
近年、ウルトラライトのハイカーが多く、有料のトレイルエンジェルのが殆どのPCTも、無料のエンジェルが出現したり、ウルトラライトのハイカーが少なくなり、ATに近づき始めていると、ワンダラーさん(河西さん)から情報を得た。ロングトレイルの成熟度から言えば、ATが最高だろう。果物に例えれば、ATが食べ時、PCTは、ちょっと早い、CDTは実が付いたばかり。コースを例えれば、ATは高速道路、PCTは国道、CDTは農道であろう。
三大トレイル、実によく出来ている。アメリカでは、一般的にATでロングトレイルの魅力に魅了され、PCTに進む。そして、最後に一番成熟度の低いCDTを歩く。トレイルの成熟は、ハイカーが作り上げていく。多くのハイカーが地域の人々と出会い、出会った人々が次第にエンジェルになっていく。ハイカー達の長年の蓄積が、トレイルを成熟させていくのだろう。多くの先人の方々のご苦労があり、多くのハイカーが歩く事が出来ています。感謝したい。
また、今回日本人ハイカーの先駆者の皆様が、情報を出して下さったおかげで、多くのハイカーが後に続く事が出来ています。先輩の皆様ありがとうございます。
私の今回のトレイルの記録が、CDTにチャレンジしようとする方のお役に立てれば幸いと考えております。
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